2021年9月10日に栃木県の日光市にある山々(赤薙山、女峰山、帝釈山、小真名子山、大真名子山、男体山)を日帰りで縦走してきました。
※山頂に立ったあと下山せずそのまま次の山へ向かうことを縦走(じゅうそう)といいます。


目次
- 概要
- 神橋(日光市営上鉢石駐車場)0:30
- 霧降高原レストハウス(ビジターセンター) 3:00
- 小丸山 4:15
- 赤薙山 5:45
- 女峰山 8:40
- 帝釈山 9:40
- 小真名子山 11:15
- 大真名子山 12:40
- 男体山 16:55
- 二荒山神社 19:25
- 参考
概要
私、ひろったクマさんは今年で40歳になります。なにか記念に残るような登山をしたいとずっと考えていました。そこで10年以上前から計画しており実行できていなかった日光連山縦走に挑戦することにしました。なかなか実行に移せなかった大きな理由は体力に自信がなかったからです。通常8時間程度の標高差1,000m前後の日帰り登山がメインですが、計画した日光連山を日帰りで縦走しようとすると標高差2,500m以上で所要時間も15時間以上となってきます。2003年に登山を始めてからトレーニングでジョギングをするようになり、フルマラソンの大会に7回ほど参加し完走することができました。また、ここ1年間は平日のお昼に約4kmのウォーキングを継続しており、体力に自信がでてきたところでした。
日光は栃木県北西部に位置し世界遺産や日光の社寺があり、自然豊かな場所で標高2,500m前後の山々があります。今回は日光市内にある神橋の近くに有る駐車場をスタートとし、霧降高原道路を登り霧降高原レストハウスから赤薙山、帝釈山、小真名子山、大真名子山、男体山を縦走しました。所要時間は約19時間、約31km、上昇高度約3,500mの道程となりました。スタート地点まで周回するのを目標としましたが、男体山を下山した後は疲れ果てていたため二荒山神社から神橋まではバスを利用しました。
※所要時間はYAMAPアプリの計測情報を参考に記載しました。今回の登山ではスマホのアプリのYAMAPとGarminのForeAthlete 35Jというジョギング向けのGPS watchを使用して計測しました。GarminのデータはStaravaというアプリとデータを同期させています。
下図左上がYAMAPのデータで距離30.9km、上昇高度3571mとなっています。Garminのデータでは距離37.45km、上昇高度3479mとなっておりアプリの表現方法で各値に差が生じています。Garminは活動していない休憩時に計測停止する設定をしているためGarmin/Stravaの行動時間は短く表示されたようです。
[データロガーの実績]

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[標準タイム -YAMAPより] 日光連山縦走のモデルコースと標準的な所要時間(コースタイム倍率x1.0)は約17時間になります。※今回の場合は、神橋~霧降高原バス停の所要時間約3時間と休憩時間が加わります。また縦走装備であれば荷物が重たくなるのでコースタイム倍率はx1.2くらいが目安になります。ボリュームを考えると通常は一泊二日の行程が推奨となります。


神橋(日光市営上鉢石駐車場)
駐車場は無料の日光市営上鉢石駐車場を利用しました。こちらは約40台の駐車スペースがあり、神橋に近く日光東照宮まで歩いて10分と近いので観光するのにも良い場所です。今回は仮眠をとるため前日の夜に駐車をしたので2台ほどしか駐車していませんでしたが、土日の日中は大変混み合うそうです。
日が変わり夜中の0時30分頃に駐車場を出発しました。神橋付近の標高は約600mです。こちらから霧降高原道路に向かい、12km先にあるキスゲ平園地にあるビジターセンターまで所要時間約2時間30分でした。こちらは大型の駐車場とトイレがあるのですが、標高が約1,300mあるため最後に登るのは辛いと考えて最初に登ってしまうことにしました。登山道ではなく、道路なので準備運動にはちょうどよいだろうと考えていましたが、距離12km(標高差700m)あるので思っていた以上に体力を消費しました。
(神橋0:30>>ビジターセンター3:00)
霧降高原レストハウス(ビジターセンター)
ビジターセンターには自動販売機があるので、リアルゴールドでエネルギーを補給しました。ゴミ箱がみあたらなかったので、空き缶の荷物が増えてしまいましたが、それ以上の元気をいただきました。さて、ここから名物の1,445段の階段がある天空回廊を登って行きます。
途中に小屋があるので、ここで大休止です。クッカーでお湯を沸かしカップラーメンの天ぷらそばをいただきました。気温がやや低かったので体があったまり、心もやすらぎました。カップラーメンの天ぷらはカロリーが多めで、塩分も摂取できるので、おすすめです。
※30分くらいの長めの休憩を大休止(だいきゅうし)、10分程度の短めの休憩を小休止(しょうきゅうし)と呼びます。


天空の回廊の頂上には見晴らし台があり展望図があります。天気が良い早朝は、日の出と雲海がコラボする壮大な風景がみられることが多いです。真っ暗でしたが、星がたくさんみえて、とても綺麗でした。途中、流れ星や人工衛星が通過するのをみることもできました。夜も良いですね。

小丸山
天空回廊を過ぎるとシカよけのゲートがあります。こちらのゲートをくぐると、本格的な登山道にでるので気分も引き締まります。ここから先は熊よけの鈴をつけて歩くことにしました。このゲートの先が小丸山(標高1,601m)の頂上です。ここから赤薙山(標高2,010m)までの約400mの良い登りが待っています。
(ビジターセンター3:00>>小丸山4:15)

しばらく歩いていくと徐々に明るくなってきました。そして赤薙山の影がうっすらとみえてきました。やはり目標がみえると、気合が入ります。さらに登ります。

4:53頃に上空を見上げると、きぼう(宇宙ステーションISS)が見えました。私はきぼうを見るのが大好きです。きぼうは地上400km上空を時速27,700kmで約90分で地球を一周しています。夜明けもしくは日没に見えることが多く、非常に明るいので宇都宮の市内など街明かりが多い場所でも確認することができます。きぼうをみたい場合は、”きぼうを見よう”でWeb検索すると観測予測時刻を調べることができます。いくつかの条件が重なった場合に、きぼうを観測することができます。(下の写真の中央がきぼうです。2枚目はズームで撮影しました。)
きぼうは、とても明るく一定の速さで通過していくので、方角と角度がわかっていれば簡単にみつけることができます。天気の良い日の夜明けや日没には、きぼうをチェックして是非、空を眺めてみてください。


ちょっとわかりづらいですが、きぼうが通過するところを動画で撮影してみました。
だいぶ空が明るくなってきました。一息ついてニューブロックのトマトくんを組み立てました。

そして日が昇ってきました。幸運なことに本日は天気がよさそうです。今回、40歳の記念ということでニューブロックで4の数字とトマトくんで0として”40″という数字を表現してみました。

朝焼けと雲海の動画を撮影しました。
朝日の下に丸山が見えます。まだまだ先は長いですが太陽の輝きと温かさで元気が湧いてきます。

赤薙山
薄明りで見えていた赤薙山(2,010m)に到着しました。すっかり空は明るくなっていました。小丸山から400mの直登でよい登りでした。
※山頂に向って直線的に、あるいは最大傾斜線方向に真っ直ぐに登ることを直登(ちょくとう)といいます。
(小丸山4:15>>赤薙山5:45)

だいぶ登った気がしますが、まだ今回計画した山行の半分も到達していません。ここからさらに女峰山へと向かいます。赤薙山からは、本日の最終目的地の男体山(下写真の左端)がみえました。







女峰山
赤薙山から約3時間、赤薙奥社跡と一里ヶ曽根独標を経て女峰山(2,483m)に到着しました。ここで大休止、女峰山は展望良好で360°の景色を見渡すことができました。
神橋から女峰山まで、上昇高度は約1,900m、距離は約18kmとなりそうです。目的までのおよそ半分の道のりを通過したことになります。だいぶ疲れてきてはいましたが、まだまだ登れそうな感覚です。今回ルートが長いので複数のエスケープルートを設定しておきました。天気と体調によっては、引き返すか志津林道へ下ることも検討していましたが、引き続き男体山を目指すことにしました。
※天候不良や体調不良、事故などで登山計画が遂行できない場合にすみやかに下山できるルートをエスケープルートと呼びます。
(赤薙山5:45>>女峰山8:40)

女峰山の山頂で動画を撮影しました。女峰山の360°の大展望をご覧下さい。
ここで本日、2度目の大休止をしました。こんどはカップラーメンのきつねうどんと、チョコレート、抹茶羊羹、酸っぱめのグミと多めに補給を行いました。(カップラーメンって本当においしいですね。)

これからむかう帝釈山と、山々を望みながら食事をいただきました。

女峰山は私が登山好きになるきっかけとなった山です。山頂までのアプローチがやや長めのため、平日は登山者が少ないことが多いです。景色がよく、ゆっくりと展望を満喫しながら体力を回復させるることができました。いつきても、山って良いよなぁ~と感動します。
帝釈山
女峰山から約20分ほどで帝釈山(2,455m)に到着しました。帝釈山の山頂は空に吸い込まれそうな雲が広がりをみせていました。
(女峰山9:20>>帝釈山9:40)

富士見峠(標高2,036m)に着きました。

小真名子山
富士見峠から小真名子山へ向かいます。ここから小真名子山までは約300mの登りです。山頂までは岩に黄色のマーキングがたくさんありました。マーキングを辿って山頂を目指します。


小真名子山(2,322m)に到着しました。山頂はだいぶガスってきていました。
※山に霧が発生したり雲に覆われる事をガスるといいます。
(帝釈山9:40>>小真名子山11:15)


さらに大真名子山を目指します。小真名子山から約200m下ったあとに、さらに大真名子山への約250mの登り返しがあります。アップダウンが続くと足への負担がかかります。

大真名子山
大真名子山へ向かう途中に崩れている箇所がありました。このときマーキングを見失い崩れている方へ行きそうになりました。下図のように左側と右側にしっかりとマーキングありますので、崩れている方ではなく、右側へ進みます。

大真名子山(2,375m)に到着しました。雲がだいぶ多くなりましたが、山頂では雲の中に青空が見えました。ほどよい疲れを感じたため小休止をして少し目をつぶっていたら、しばらく寝てしまったようです。目が覚めると気分がすっきりしていました。
(小真名子山11:15>>大真名子山12:40)



日光三険阻の一つ、千鳥返しの岩場を慎重に下ります。大真名子山から志津林道へは約600mほど下ります。

男体山
志津林道(1,785m)に到着しました。ここで本日、3度目の大休止をとりました。カップラーメンの天ぷらそばをおいしくいただきました。あったかい食事で癒されます。だいぶ疲れを感じてきたので、志津林道でエスケープするか男体山を進むか再度、検討しました。13:45と計画時間とずれていないことと、足にも痛みがないことを考えて男体山を登ることにしました。
今回、ライトやスマホとGPS時計の充電のための電池やバッテリーなどを多めに準備しました。そのほかにもランニングシューズなども持ち歩いたので荷物が多めになりました。水も4リットルを準備したので総重量は10kgを超えてしまっていました。肩が痛くなってしまったので、もう少し軽量化をするべきと感じました。

志津林道から男体山(2,486m)へ向かいます。本日最後ですが、約700mの登りが待っています。

志津小屋がみえてきました。立派な小屋です。

山頂の剣がみえてきました! 男体山(2,486m)に到着しました。志津林道からは、やたら遠くに感じた男体山ですが、一歩一歩足を踏み出すことで、頂上にたどり着くことができました。小さな一歩一歩で、こんなにたくさんの山を登ってきたことに感動してしまいます。
(大真名子山12:40>>男体山16:55)


さすがにヘトヘトですが、足へのダメージはありませんでした。 あとは気をつけて下るだけです。
二荒山神社
男体山(2,486m)から二荒山神社(1,274m)まで約1,000mを下りました。下山開始が17:00過ぎであったので、途中で日が沈んでしまいました。ライトをつけて下りましたが、霧がでており光が乱反射するせいで、非常に視界が悪く下りづらかったです。途中疲れてきたので持っていたストック1本を使うとだいぶ楽に歩けるようになりました。ロングコースのときはストックが2本あると足への負担を軽減できそうだと改めて実感しました。
約2:30かけてくだり、二荒山神社がみえてほっとしました。自動販売機が見えたので、ドクターペッパーとリアルゴールドを一気飲みしてしまいました。当初の計画だと、ここからいろは坂を下って神橋までジョギングしていこうと考えており、ランニングシューズに履き替えましたが、体力が残っていないと判断しました。
歩けない場合は、タクシーかバスを使おうと考えていました。バス停がみえたので時刻を確認すると最終バスが19:51となっていました。最終バスに間に合いましたので神橋までバスを利用することにしました。バスの中では疲れ果てて眠ってしまいました。
こうして無事に日光連山縦走を行うことができました。今回は自分の体調がベストなコンディションで挑むことができました。また天気にも恵まれました。コースが長くなればなるほど、計画通りに行かないことが多くなると思いますが、無事に縦走ができて良かったです。荷物の軽量化を真剣に考えることと、ロングコース時にはストックを2本持っていくことも検討していきたいと思いました。
(男体山16:55>>二荒山神社19:25)
参考
今回の登山で準備した持ち物の一部です。
YAMAPアプリをインストールしたスマホ2台と紙地図(1/25,000と1/50,000)コンパス、バッテリーとGPS時計です。紙地図(1/50,000)は2006年版と古く破れもあったため、2021年版 山と高原地図 13 日光 白根山・男体山 1:50,000(昭文社)を新しく購入しました。
また登山計画はYAMAPアプリと、国土交通省 国土地理院 地理院地図(電子国土Web)であらかじめ確認し、YAMAPアプリから登山計画を提出しました。通常はYAMAPは無料バージョンを利用していますが、今回の登山に伴い1ヶ月だけYAMAPプレミアム会員にアップデートし登山保険にも加入を行いました。YAMAPのプレミアム会員だとみまもり通知機能が利用できるので、家族へ位置情報を提供することができるようになります。





写真の他にも食料と着替え一式とライトと電池などを準備しました。地図はジップロックに、荷物は小分けしてビニール袋にいれておくと荷物がまとまりやすく、急な雨などからも水濡れを防げるのでおすすめです。






体調管理としては、平日に4kmのウォーキングを1年以上継続しました。また5km, 10km, 20kmのジョギングを取り入れてトレーニングを行いました。
おまけ(縦走イメージ絵)

※コースタイムは参考程度としてください。天候、体調、荷物の量、人数、休憩時間など様々な要因で登山ペースは変わります。心と時間に余裕を持った安全な登山を心がけたいですね♪
山って楽しい!
登山には地図とGPS機能があり山行を記録できる”YAMAP”というスマホアプリがおすすめです。
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